多汗症には漢方が効くのか
多汗症には漢方が効くのか
他の病気に原因がない原発性多汗症は、現代医学では原因不明のままで治療されます。
よって、対症療法になります。
もちろん、遺伝的な影響があるとか、精神性発汗であるとかある程度わかっていることもあるのですが、発汗の仕組みは解明されているけれど、そこにどうして異常が起こるのかは、わかっていません。
漢方の体系は、西洋医学をベースにした現代医学とはまったく別の体系です。
漢方では体力や抵抗力を示す「証」と、具体的な症状の「気・血・水」を診断して、ひとつひとつに複数の効果が期待される生薬を組み合わせて処方されます。
漢方は室町時代以降は日本で独自の展開をしていますが、それ以前は中国伝来の進んだ医療でした。だから中医学とも呼ばれています。
漢方は、中国時代を通算すれば千年単位の人類の叡智と経験の蓄積によって、西洋医学的な原因がわからなくても、症状を改善することができます。
漢方は未病を治すともいわれますが、原発性多汗症でも治療の選択肢を広げることになります。
ただ「証」と「気・血・水」の見立ては、経験がものをいいます。
経験の豊富な漢方医にかかることが、何より治療効果をあげる秘訣だと思います。